「MACHI RIDE 今市(マチ・ライド・イマイチ)」を開催

コロナが少し落ち着いてきた秋からいろいろなことが再開されてきたのを感じます。飲食、旅行、ライブやイベントなど、求める人がいる限り、形を変えれば開催することはできるんだと感じて、自分も力をもらいました。

1ヶ月以上前のことですが、11月の7日、東武鉄道下今市駅で「MATCH RIDE今市(マチ・ライド・イマイチ)」というイベントが開催されました。

こちらのイベントが実施された、下今市駅は日光・鬼怒川エリアで運行中の「SL大樹(たいじゅ)」の発着駅となっており、SLファンや、ライダーとコスプレイヤーなどが集まりました(もちろん一般の方も入れます)。

ライブ、マルシェ、そして撮影会も開催されます。普段はバイクで入れないSL大樹がしまわれている、下今市SL機関庫前で愛車と一緒に写真を撮影するというブースで、私もスタッフとして参加させていただきました。いろいろと盛りだくさんで渋滞気味のイベントですが、繋がるはずのない人たちが繋がっていくのはとても刺激的で楽しかったです。

昭和レトロな下今市駅とSL機関車

こちらの下今市駅はレトロな雰囲気の駅舎で一見の価値があると思います。

奥にはレンガ作りの下今市SL機関庫と転車台(列車を方向転換するターンテーブルみたいなやつ)があって鉄道ファンではない私でもテンションが上がります。

そして、この機関庫の主であるSL大樹もタイミングが合えば見ることができます。私は鉄道にまったく興味がないのですが、大樹を目の前で見たらかっこよくて感動しました。

なんというか塊感、それが蒸気で動き出す様はなんと表現すればいいか……。そう、ロマンですよ!男のロマンは女のフマンなんて言いますけど、きっと女性の方もわかっていただけると思いますよ。

報徳二宮神社の二宮金次郎

ちょっと移動したところに神社を見つけました。二宮尊徳を祀っている宝徳二宮神社(ほうとくにのみやじんじゃ)です。ちょっとコミカルな木像(尊徳来福像)がお出迎えです。

チョンマゲのところにお賽銭を入れられるようですが、ちょっと難易度高めですね。

下の写真は、みんなが知っている(昭和世代だけ?)二宮金次郎(にのみやきんじろう)の像ですが、歩きスマホを助長するって理由で最近の金次郎像は座っているそうです。

時代に合わせて変化していくことは必要ですし、大切だと思うんですが、昔の話を今のルールで裁こうっていうのは、なんとも了見が狭いと言うか、指摘するほうがまともな感覚ではないような気がします。

下今市駅周辺を歩く

その近辺を歩いてみると気になるものを発見しました。なんと観覧車が見えます。

調べてみると、日光ランドマークという施設にある観覧車だということがわかりました。そのゴンドラのうち、一つはなんとスケルトンで側面や足元がすべて丸見えという高所恐怖症の人には地獄のようなゴンドラだそうです。

私は高いところも平気で興味がありましたが、アラフィフ近いおっさんが一人で観覧車に乗ると周りの人たちが心配すると思ったので、今回はスルーしました。おじさんには手前にあるスナック「はじらい」の方がいいかもしれません。

演歌好きにはおすすめの船村徹記念館

近くにあるのが、道の駅日光の「日光街道ニコニコ本陣」です。コンビニなどもありますが、メインとなるのは船村徹記念館。

入ったことがなかったのですが、入ってみるとグッズ売り場があります。私には全然馴染みがなくピンとこないのですが、栃木県を代表する作曲家である船村徹のことを知ることができます。

作曲家のすごいところは、名前は知らなくても曲を聞けば知っているってところです。船村徹のつくった曲を調べてみたら『兄弟船』は漁師でもないのに父がよく歌っていました。『王将』はみんな知っていると思いますし。『矢切の渡し』も「男はつらいよ」ファンなら知らない人はいないでしょう。私がピンときたのはこの3曲くらいなのですが、演歌が好きな人はもっと知っているでしょう。

蕎粋庵で熊せいろを味わう

ちょうどお昼なので隣の建物に行くと蕎粋庵(きょうすいあん)というお蕎麦屋さんがあります。入って見ると熊の毛皮と熊せいろというメニューが気になります。

早速、注文をお願いすることにします。

 :「熊せいろ、お願いします」
店員:「はい、鴨(かも)せいろですね」
 :「いや、熊せいろで」
店員:「鴨ですか」
 :「熊です」
店員:「はい、熊せいろひとつ」

私の滑舌が悪いのとマスクのせいだとは思うのですが、熊でなく鴨を連呼されると熊せいろを頼む人が圧倒的に少ないのか、インパクトだけのメニューなのではないかと不安になります。そんな気持ちで待っていると明らかに鴨せいろとは違うちょっと濁った感じのスープが運ばれてきました。

まずはお蕎麦をいただいてみると色も緑がかって、とても香りがよく美味しいです。問題の熊つゆにつけてみると……。甘い! とても甘味とコクがあるつゆです。美味しい!

これは不安になることなく、頼んでみてもいいでしょう。熊肉なんて滅多に食べられるものじゃないでしょうから。ただし骨がありますから気をつけて。

後で聞いてみると熊というのは雑食のために食べるものによって味が変わるんだそうで、甘味の強いクマは木の実なんかを多く食べているんだそうです。セットで出てくる炭のゼリーも美味しかったです。

道の駅日光「ニコニコ本陣」のすぐ近くに私の大好きなだんご屋さんがあります。本沢だんごです。

明治40年に創業という100年以上続くお店です。クッキーやサブレもありますが、やはりだんごでしょう。だんごの種類は6種類あります!

  • 白い団子にたっぷりあんこの「あんだんご」。
  • たっぷりきなこで、食べるときは気をつけなくてはいけない「きなこだんご」。
  • あんこがたっぷり「草だんご」。
  • 海苔と醤油が香ばしい「いそだんご」。
  • そして聞き馴染みのないのが「あやめだんご」。こちらはよくいう「みたらし」ですね。
  • それと異彩を放ちながらも甘じょっぱい中にピリッと刺激のある味がクセになる「七味だんご」。

この6種類!この恐ろしいところは、しょっぱい ― 甘い ― 辛い、のローテーションで6種類全部食べてしまうのです。一人で食べるのは危険です。そういうことで全種類をお土産に買っていきます。

さて、いかがでしたでしょうか。今回の下今市駅周辺の散策。過去の散策記事の中でも最小半径の散策になりましたが、それだけ魅力が密集したエリアということではないでしょうか。ちなみに、だんごの写真がないのは撮影前に何者かによって冷蔵庫から取られていたためです。まあ、お土産なんでいいんですけど……(撮影はしたかった!)。


■ 千本 義信

1975年、栃木県大田原市で生まれる。中学生の時に親にカメラを買ってもらい、うまく撮れないことが悔しくて写真を撮り続ける。次第にカメラと写真の魅力に取り憑かれる。高校生になって憧れの写真部に入る。大会などにも参加して部長の地位を獲得。この頃には運動も勉強もできない私が進む道はカメラマンしかないと思い込む。高校を卒業し上京、東京ビジュアルアーツ写真学科へ。2年後、ギリギリの成績で卒業。その後、栃木県に帰り、印刷会社や写真スタジオのカメラマンを経て、2012年にフリーランスに。雑誌、企業広告、建築物、料理、商品撮影など、たくさんの人に支えていただき、今日もどこかで撮影中。