矢板武記念館の庭。春は天然記念物のシダレザクラが見事です!

新型コロナウィルスの影響で、テレワークやzoom、オンライン飲み会など、さまざまなことが注目されていますね。私も暇なので一通り手を出してみたのですが、軽い気持ちで「あつまれどうぶつの森」をプレイしてみました。なんだかダラダラと無人島生活を過ごしていたら、あっという間に時間が経ってしまう。恐ろしいゲームです。

せっかく天気も良いし。散策だ! 散策しよう!今回は近場で、以前から行ってみたかった矢板市を散策いたします。

矢板武記念館へ

矢板の町の中にたたずむ立派な日本邸宅。ここは矢板の歴史を語る上で外せない人物、矢板武(やいたたけし)の旧宅です。以前、那須塩原市の散策の時に那須野が原疏水に触れた時に絶対に触れなくてはいけない人物として矢板武について書かなくてはと思っていたのですが、いつか矢板市の散策をするときのために触れないでおきました。

矢板武は明治期の栃木県北部のことを語る上で、外すことができない重要な人物です。那須塩原市散策の時に触れた那須疏水ですが、国を挙げての大事業だったので、たくさんの人が関わっていますが、代表的な人物は栃木県令(知事)三島通庸と地元の有志である印南丈作と矢板武です。その矢板武の家が現在は記念館として見学できます。立派な門をくぐると受付があります。入場料は100円です。入るとすぐに矢板武の胸像が迎えてくれます。

玄関の正面に掛かる聚塵亭(しゅうじんてい)の書は、なんと勝海舟のものです。聚塵亭の意味は、当時、那須野が原の開発のためにたくさんの人たちがここに出入りしていそうです。その様子を見て勝海舟が「塵(ちり)に塗れて働く人が聚(あつ)まる亭(やしき)」と名付けました。その人たちの中には次期一万円札に選ばれた渋沢栄一もいたようです。

勝海舟に関係のある人が県北にもう一人、幕末の黒羽藩藩主、大関増裕(おおぜきますひろ)。なんと、海のない栃木県から、なぜか初代の海軍奉行(その前には陸軍奉行にもなっています)に任命されています。その時の同僚が勝海舟だったのです。黒羽藩校の作新館の命名も勝海舟によるものです(作新学院の作新は作新館から来ています)。

勝海舟はみんな知っていると思いますが、とんでもないエピソードがあります。子どもの頃、野良犬に局部を噛まれ、生死をさまよいます。医者には助かるかどうかわからないと言われ、父の小吉は毎日、水垢離(みずごり)をして息子の無事を祈りました。その期間は2ヶ月にも及んだそうですが、その甲斐あって麟太郎(勝海舟の幼名)は無事に助かります。

しかし、この父、小吉も野宿をしているときに過って崖から落ちて局部を岩に強打して気絶。歩くことができないほどの怪我をしてしまいます。なんだか、親子揃って痛々しいエピソードを持っているんですよ。ちなみに勝海舟は犬が嫌いだったそうです。

話を元に戻しまして。矢板武は、那須疏水の開削以外にも宇都宮–黒磯間の東北本線、陸羽街道(現在の国道4号線)などを開通させています。他にも下野銀行、矢板銀行、日光銀行などを設立。下野新聞社の会長職を務めたりしています。まあ、とにかくスゴイ人です。建物や展示品も興味深いものがたくさんあります。その中でもちょっと気になったのがこの家紋。

どこかで見たことがあるのですが、思い出せない。調べたところ、正式名称は「丸に右三階松紋」と言います。で、私がどこで見たのかというと落語の立川流の家紋が「丸に左三階松紋」だったのです。右よりか左よりかの違いですがスッキリしました。他にも庭には天然記念物になっているシダレザクラがあります(トップの画像)。春に来てみるのも良いかもしれませんね。

チーズの誘惑

矢板の中心部を離れて少し走ると「チーズガーデン」という看板を発見します。なぜか、チーズという響きに惹かれて寄ってみることにしました。店内にはその名の通りチーズ製品のお土産ものがたくさんありますが、ほとんどのものが要冷蔵。これからいろいろと散策する私にはちょっと心配なものばかり。

ジェラートがありましたのでここで食べてみることにします!北海道クリームチーズとマンゴーの組み合わせ。お味の方はクリームチーズの濃厚な感じとマンゴーの爽やかな味でこれからの季節にぴったりの味でした。

また、お土産物の中でも常温で大丈夫なものを発見しました。チーズのたまり漬け。なんともお酒に合いそうな食べ物です。お土産として調達します。家に帰ったときにビールと一緒にいただきましたが、お酒がすすむ絶品おつまみでした。一息ついて、山縣有朋記念館に向かうことにします!

山縣有朋記念館は庭も室内も見どころ満載!

今回の矢板散策の目的の一つ、それが山縣有朋(やまがたありとも)記念館です。私は初めて来た時は、移動中に偶然、山縣有朋記念館の看板を発見して。「あの山縣有朋の記念館がなぜ矢板に?」と驚いたのですが、実際に行ってみると、そのこと以上にロケーションの良さに感動したのを覚えています。

駐車場はとても広く、団体のお客様も来るそうです。入口にはたぶん、狛犬(?)だったであろう彫刻がありますが、とても古いものなのでしょう。風化して何かオオサンショウウオみたいな見た目になっています。

その奥にはモダンなお屋敷が見えます。庭のつくばいで耳をすますと水琴窟の音が涼しげです。

記念館の入場料は700円。館内での撮影は禁止です。お屋敷、庭も素敵ですし、展示物も多く美術館のように楽しめます。最後にはコーヒーをいただけるサービスも。本当にゆっくりと鑑賞するにはおすすめのスポットです。このあたりはこの時期、ホタルが見られるそうです。夜の散策もよいですね。

近くの郷土資料館に立ち寄る

山縣有朋記念館から少し走ると郷土資料館が見えて来ます。ここは旧上伊佐野小学校を利用しています。中に入ると歴史的な資料や矢板市のいろいろなことが学べます。

以前、県立博物館で、クマの剥製を見たときは、怖いというより小さくてかわいい、という印象がありました。しかし、ここに展示されているイノシシの剥製はちょっと恐怖を感じました。突進されたら大怪我すること間違いなしですね。

それ以外にも、昔の写真が飾ってあるエリアが見応えがあります。シャープの工場が建設された当時の写真などが見られますよ。

歴史のあるカフェジュリエへ

矢板の町に戻って来ました。「カフェ ジュリエ」で少し休憩しましょう。

店内はレトロな雰囲気でとても落ち着きます。迎えてくれたマダムは「男はつらいよ」のリリーに雰囲気が似ていて思わず「リリー、俺だよ。寅だよ。」と声をかけたくなってしまいます。

ここに来たら、コレを食べなくてはいけません。パフェ!!アイスを食べた上に、パフェというのもどうかと思いますが、今月までの期間限定「いちごのパフェ」をいただきます。このボリュームと花火で、否が応でもテンションが上がります。

食べてみると、いちごの量の多さに驚きますが、生クリームとアイスも入って大満足。最近、何かと話題のカサ増し要因のコーンフレーク(嫌いなわけではないですよ)は一切入ってないという潔さ。ランチも美味しそうなので今度来たときにはランチを食べたいと思います。

ツツジの名所、長峰公園へ

ちょっとカロリーを消費するために長峰公園に行ってみます。

ここはツツジの名所として有名ですが、見頃は4月から5月で私が行った時にはほんの少しだけ咲いていました。

とても広い公園でシンボルタワーから矢板の街並みがよく見えます。ツツジの見頃も終わったせいか人影はほとんどありません。広い敷地で新緑の中、密を気にせずのんびり散歩できるので、息抜きに行ってみてはいかがでしょう。

今回は矢板市の歴史散策でした。ほかにも矢板はいい場所がたくさんあります。夏にぴったりのスポットは別途、紹介しますのでお楽しみに!


■ 千本 義信

1975年、栃木県大田原市で生まれる。中学生の時に親にカメラを買ってもらい、うまく撮れないことが悔しくて写真を撮り続ける。次第にカメラと写真の魅力に取り憑かれる。高校生になって憧れの写真部に入る。大会などにも参加して部長の地位を獲得。この頃には運動も勉強もできない私が進む道はカメラマンしかないと思い込む。高校を卒業し上京、東京ビジュアルアーツ写真学科へ。2年後、ギリギリの成績で卒業。その後、栃木県に帰り、印刷会社や写真スタジオのカメラマンを経て、2012年にフリーランスに。雑誌、企業広告、建築物、料理、商品撮影など、たくさんの人に支えていただき、今日もどこかで撮影中。