街自慢_芳賀町
とちぎの住まいづくり

[ 芳賀君芳賀町祖母井 ]vol.3

BOOK FOREST 森百貨店(森敦さん・たかこさん・お子さんたち)

栃木県南東部に位置する芳賀町。2つの清流が流れ、県内有数の米どころでもあるこの街は、都市開発の真っ最中。
今回は、大正時代からこの街で「街の本屋さん」として親しまれてきた「BOOK FOREST 森百貨店」の森さんご一家を訪ねました。(2018.08月)

子どもたちが喜ぶ街の絵本屋を目指して

敦さん 当店は大正15年に「森書店」として創業。
おかげさまで、今年で93年目を迎えることができました。時代の流れで食料品以外のいろいろな日用品などを取り扱うようになり「森百貨店」に。そして、街の区画整理を機に平成24年に絵本屋「BOOK FOREST 森百貨店」としてリニューアルオープンし、今に至ります。

たかこさん 結婚以前はお互いに都内で音楽活動をしていましたが、13年前に主人が4代目として本屋を継ぐためUターンし、この街での暮らしが始まりました。代々続けてきた「街の本屋さん」を、これから自分たちの店として、どんな店にしていこうか2人でたくさん話し合いましたね。それで、CDジャケットのようにカラフルな絵本が店内いっぱいに並んでいたらいいねって「絵本の森」をコンセプトに、絵本をメインにした本屋を目指すことにしたんです。

敦さん 私たちが地元に戻った頃はまだこの通りも古いままで、店も学校教材など外回りの仕事はありながらも、本よりも消耗品を買いに来る人がほとんど(笑)。さてどうしようかと思っていたので、区画整理の話をいただときは「よし!」と思いましたよ。この辺りは都市化によって誕生した住宅地も多いし、これで地元の子どもたちがきっと楽しんでくれる街の絵本屋になれると、一瞬で目の前が開けました。

店内

街や人、店のおかげで叶えられた今の暮らし

敦さん  久しぶりに地元に戻ってみたら、家族だけでなくご近所の皆さんも歓迎してくれて。
結婚式が済んですぐに、獲物を狩る勢いで商工会青年部にも入れられました(笑)。かなり戸惑いはありましたが、こんなにもあたたかく受け入れてくれることが純粋にうれしかったですね。私たちもこの街に溶け込みたかったので、声をかけていただいたら、まずはやってみるという気持ちでいっぱいでした。今ではすっかり、商工会の仲間と地元イベントを開催したり、同世代の飲食店のオーナーさんなど職種の枠を越えてプライベートでお付き合いしたり……。

こうして振り返ると、周囲の人のおかげで自分自身も変われましたね。
それまでは、若気の至りもあってか「自分たちの考えがすべて」とかたくなな態度でいましたけれど、生まれ育った街やそこで暮らし続けてきた人たち、そしてこの店のおかげで、気持ちが和らいだというか、心が解放されたというか。だから、今が一番自分らしく生きてる。そんな実感があります。

たかこさん  本当にその通り。私たちがこうしてやりたいことをやれているのも、この街で長く皆さんに親しまれてきた、「本屋」という基盤があったからこそと思って感謝しています。3人の娘たちも、ご近所さんから誘われて「はが日舞」という日本舞踊や伝統ある「芳賀町夏祭祇園祭」での太鼓打ちなど、この地域ならではの習い事をしているんですよ。毎週のように着物を着られて、大人の方と一緒に何かを学ぶということが皆、とても楽しいみたい。私も太鼓の練習の時は、熱が入りすぎて声がガラガラなんです(笑)。

街自慢_芳賀

BAND FOREST

敦さん  数年前から、家族バンド「BAND FOREST」として音楽会にも参加しているんです。妻と出会わなければ希望をもって地元に戻ってくることはなかったろうし、子どもたちと一緒に音楽を楽しむなんて夢にも思っていなかった。幸せですよ。この街に帰ってきたからこそ、叶えられた暮らしなんだと思います。

たかこさん  私たちがやってきた音楽や芸術活動は決して無駄じゃなくて、この街で暮らしはじめて、ようやく結びついたんだって感じます。絵本は人が生まれて初めて読む本だから、ここで暮らす子どもたちやご家族にとってかけがえのない一冊をお届けし、絵本文化をここ芳賀町の「絵本の森」から広めていきたいですね。

吊り橋

桜の名所でもある「五行川サイクリングロード」は、ご家族の散歩コース。 渡ると音楽の流れる吊り橋は、子どもたちのお気に入りスポット

マップ