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宇都宮市 Iさんご夫妻
● 入居日 / 2018年11月 ● 設計・施工 / 君島建築


夫婦の暮らしに合った心地よい平屋

Iさんの家に足を踏み入れると、その静かなたたずまいとそこに調和した家具に、なつかしいような気持ちになります。広い土間、グレーの塗り壁、木のぬくもりのある落ち着いた空間に、中庭からの光がやさしい陰影をつくっています。

このお住まいで暮らすIさんご夫妻。テレビもパソコンもあまり見ないというご夫妻の、時代に流されないていねいな暮らしが伝わってきます。ゆったりとした話し口調から、家づくりにおいても手間を惜しまず、楽しみながら二人で決めてこられたのだと感じさせられました。

君島建築との出会いは6〜7年前。「たまたま喫茶店で見た雑誌の小さな記事だったんです」とIさん。ふだんは住宅雑誌を手に取ったこともないのに、なぜか心にとまり、メモをしたといいます。その後、家づくりをスタートし、たくさんの建築会社のモデルハウスや見学会も行きましたが、自分たちの家をつくるのは君島建築しかないと思いました。

家の構想には1年以上かかりました。二人暮らしのご夫妻の要望は、平屋であること、土間があること、和室をつくること。そしてなにより、自分たちの愛着のある家具や小物たちをいかせる空間であること。

「新しい家具を買う、という考えは自分たちにはありませんでした。好きで買い揃えたものですから」とご夫妻。 

すべての家具や小物を奥様がノートにスケッチし、寸法を書き出しました。その思いを君島建築がしっかりと受けとめ、かたちにしました。そして今、長く使っていた家具や道具たちはこの家にしっくりと馴染んでいます。 

「落ち着いた暮らし」がコンセプト

「明るすぎない家がいい」というご夫妻の要望をもとに設計されたこの字型の住まい。照明や自然光のバランスをよく考えられた設計になっています。Iさんの家の南側には公園があるため、あえてキッチンは小さな窓にして人目にふれないように計算されているそう。中庭に面したリビングはカーテンをしないでも過ごせ、リラックスできるのが大きな魅力です。

グレーと木のおしゃれな関係

グレーの壁と木との相性はいいのだとI邸を見ると納得。室内の塗り壁は、グレーのマットな表情が美しく、白い壁との計算されたバランスが見事です。外壁もガルバリウムのグレーを採用して、カフェのようなおしゃれな外観に仕上がっています。

また窓にはすべて木枠があり、無機質なサッシを木のぬくもりでカバーされているのも上質な素材、ていねいな施工にこだわる建築会社ならでは、です。 

和室とLDKの自然なつなが

座の空間がお好きなご夫妻。リビング横の和室は、LDKとのつながりをよく考えられています。「和」に偏りすぎないように、障子の枠を大きく、照明を真鍮にして、おしゃれな空間を演出しているのも素敵です。

あえてこの和室は天井を低くしているそうです。引き戸を閉めると、落ちついた座の空間に様変わり。杉の天井も表情が美しく、上質な空間を演出しています。 

家のアクセントになる土間収納

広く長い土間玄関はI邸の特徴のひとつ。玄関から右手の引き戸を開けるとリビングに続き、左手には自転車などの保管などができる収納を設けています。暑い季節にはすべての引き戸をオープンにすれば、玄関からリビング、中庭と風が通り抜ける設計になっているそうです。反対に冬は引き戸を閉めると、リビングのあたたかな空気が玄関に逃げません。

自然な風をいかす設計

エアコンが苦手という夫妻のために、中庭からの風がどの部屋にも届く設計になっています。下の写真はリビングから寝室へと続く廊下で、右側が中庭、左側が水まわりになっています。引き戸や窓を開ければ、浴室やトイレも風が通り抜けます。

寝室は和室ですが、地窓を設けているので、夏は風が通り抜けて涼しく過ごせます。地窓にはウッドシャッターがついており、防犯上も安心。 

大切な家具との調和

オーダーメイドのキッチンは、奥様が描いたスケッチをもとに、建築会社がていねいに造作しました。小物たちに合うようにステンレスのシンクや可動棚の素材や質感など、隅々まで仕上がりにこだわりが見られます。

ご夫妻の話を聞くと、家づくりのプロセスひとつひとつにストーリーがあります。年月をかけて愛情が増していく大切な家具のように、住む人と一緒に年を経る住まい。その変化が味わいになる美しい家ができました。