一見すると“オトコの城”。しかし室内に入れば、家族の時間を大切にするための工夫がつまった、くつろぎの住まい。

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日光市 湯澤拓人さん・佳奈さん
●入居日/2019年12月 ●設計・施工/栃木ハウス ●建物面積/53坪 ●敷地面積/98坪

住まいのテーマは「家族時間の充実」

共働きの湯澤さんご夫妻。休日が異なるため、2人でゆっくり過ごせるのは仕事が終わったあとの時間のみ。そんなご夫妻が住まいづくりでかかげたテーマは「家族時間を充実できる家」。掃除や洗濯など日常的な家事の負担をできるだけ軽減させ、二人の趣味の時間を充実させる暮らしを考えました。湯澤さんご夫妻は、スタイリッシュなデザイン住宅にすぐれた機能性をもたせ、間取りにもたくさんの工夫を盛り込んでいます。

今回は、モデルハウスのような暮らしを実現させたお二人の住まいを紹介します。

愛車と過ごすひとときが至福の時間

黒を基調としたスクエアな外観の湯澤邸。前方には3台分の駐車スペースを完備する、存在感たっぷりのインナーガレージのあるお住まいです。

晴れ渡った平日の昼下がり、自慢のガレージで、趣味の愛車のメンテナンスに勤しむのは、施主の湯澤拓人さん。以前はレースにも出場していたほど、大の車好きという拓人さんにとって、愛車と過ごす休日のひとときは、心を満たすとっておきの自分時間。ガレージは車の整備道具もたっぷり揃えられています。

休日はガレージで愛車と過ごすという拓人さん。お気に入りの空間で自分時間を満喫するひとときは、まさに至福の時。

機能的な間取り、すぐれた動線

湯澤邸はスタイリッシュな外観ですが、室内はその外観からは想像もできないくらい機能的な間取りになっています。まず、玄関は2wayになっており、正面は来客用玄関ですっきりとした印象。家族は左側の玄関から入ります。家族用玄関は洗濯室、洗面脱衣室、バスルームへとつながりますが、その廊下の片側が大型の収納スペースとなっています。帰宅後、ここにバッグやコートなどをすぐに収納でき、とても便利です。

収納は3つにゾーニングされており、玄関に近い場所は上着や靴も収納できるスペース。中央の可動棚付き大型収納棚は、日用品のストックなどの生活用品を、洗濯室横のファミリークローゼットは、乾いた服をそのまま収納できるようになっていて、バスタオルや部屋着もすべて収納できます。

この3つの収納ゾーンはリビングにもつながりますが、玄関の扉を閉じれば独立したプライベートスペースになるので、玄関やリビングからは一切目に触れない空間になります。

2wayの玄関。正面のターコイズブルーが爽やかな玄関は来客用。家族用玄関は洗濯室、洗面脱衣室、バスルームへとつながり、その廊下の片面が大型収納棚となっている。

常識にとらわれない自由な間取り

じつはこの収納の空間は、家の南面にあたる場所で、南面すべてがバックヤードという驚きの間取りになっています。ふつうであれば、南面は日当たりを重視してリビングやダイニングを設けるでしょう。また、採光の確保のため窓を配することが多いもの。しかし、生活動線を優先し、南側に収納を配するという、常識にとらわれない発想がおふたりにとって機能的な住まいを実現させたのです。

「いかに毎日の“手間”をなくすか。そのために僕たちはシンプルでスムーズな生活動線を考えました。面倒に思うことは日々のストレスにつながります。ノンストレスな暮らしを送るために、家づくりは自分たちのライフスタイルを一から見つめ直すことから始まりました」湯澤邸では、あえて南側をバックヤードにし、仕切り壁を設けることで家族時間を大切にできる空間を作り出しました。

すっきりとした洗面脱衣室の奥は洗濯室。洗濯室は室内干しができ、乾いた服は左隣のファミリークローゼットに収納できる。

モデルハウスのような美しい空間

まだ引渡し前? と思わせるほど、すっきりとした湯澤さんのLDK。そこにはソファとテーブル以外の目立った家具はありません。とくにキッチンには、何もなく「一家に一台」と言われるテレビも見当たりません。この「非日常な空間」こそ、まさに湯澤邸のコンセプト。

「ものは置いた分だけ、掃除が大変。面倒なのは嫌なんです」

話を聞いていくと、すっきりと居心地のいいリビング、モデルハウスのように生活感のない住まいは、ただきれいな空間を保つということだけでなく、二人で過ごす時間を何よりも大切にしたい湯澤さんご夫妻の思いの表れであることがわかりました。

LDKの左側の壁面はすべて作り付け収納。「外に物を置きたくない」という佳奈さんの要望を取り入れ、炊飯器やレンジも収納したまま使えるようにした。徹底した“見せない収納”でいつもきれいな空間を保てる。

掃除や片付けの時間を最小限にする工夫

すっきりとしていて、とてもあたたかみのある住空間の湯澤さんのお住まい。ごく普通に生活しているにもかかわらず、なぜこんな暮らしができるのかを妻の佳奈さんにお聞きしました。佳奈さんは、じつは整理収納アドバイザーの資格をもつスペシャリスト。

たとえば生活感の出やすいキッチンは、炊飯器やレンジなど、日常使用する家電も、作り付けのキッチン収納へ。収納したまま使用できるので、使う度に出し入れする必要はありません。ピカピカのキッチンシンクは、拓人さんの提案で車のコーティング剤を塗っているので、水アカ知らず。掃除の手間が省けます。

またリビングでは、存在感のある黒いテレビは置きません。プロジェクターを使い、白い壁に写し出す仕掛けとなっていました。シンプルですっきりとした空間に保つことは掃除がしやすく、美しい空間を保つ基本的なポイントです。

プロジェクター付き天井照明でテレビや映画を楽しむ拓人さんと佳奈さん。

また建具選びも一工夫。ドアは下部にレールのない吊りタイプにすることで、床はフラットになり、いつでもさっと掃除がしやすいようになっています。家をきれいに保つためにできることを考え、工夫をこらした湯澤さんのお住まい。美しさを保つために、使いやすく、家事の手間を最小限にできる暮らしのアイディアがたくさん詰まっていました。

佳奈さんは日々、暮らしやすい工夫ができないかと思いを巡らせ、試してみることが楽しみとのこと。この小さな日々の努力が美しい住まいをずっときれいに保つ秘訣のようです。

平日の夜、2人で過ごす安らぎの家族時間。機能性抜群の住まいは、ご夫妻に笑顔のひとときをもたらしてくれる。