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安全安心な野菜とは?

掲載日: くらし人
安全安心な野菜とは?
ハウスで育苗中のレタスの苗。奥に見えるのはサニーレタス
伊藤 博人

三重県に生まれる。同志社大学で環境学を学び、卒業後、研修を経て有機農業で独立。現在は壬生で年間約70種類の野菜を栽培する。農薬・化学肥料を一切使わずに有機肥料のみで野菜を育てるために、日々、虫や雑草と奮闘している。
https://www.utatanefarm.com/

「安全」の基準は国が定めている

さて、今回はよく耳にする安全安心な野菜についてです。「安全安心」とひとくくりにされがちなこの言葉ですが、「安全」と「安心」では意味が大きく違います。今回はそんなお話です。

基本的にスーパーで売られている野菜は「安全」な野菜です。もちろん農薬や化学肥料が使われている野菜がほとんどですが、問題はありません。「安全」の基準というのは国によって定められていて、たとえば農薬であれば「この農薬はこの野菜に〇〇培に希釈して、散布後〇日経過したら収獲して販売してもいい」というように定められています。

そして、その野菜がJAに持ち込まれるときには農薬の使用履歴を提出して精査されて承認されれば出荷可能になります。残留農薬の検査も定期的に行われていて、もしも残留農薬が検出された場合は栽培していた本人だけではなく、その地域で同じ野菜を栽培していた人すべてが出荷停止になるなどかなり重い処分が下されるそうです。だから農家さん達は勉強会などを開いて事故のないように努めていると聞きました。このようにして消費者の「安全」は守られています。

ハウスでゆっくり成長中の小松菜(2月現在)

「安心」の基準は個人で異なる

次に「安心」な野菜についてですが、「安心」の基準というものは国が定めるものではなく、個人が感じるものであるのでさまざまです。これを読んでいる方のほとんどは、上記のような手順を踏んで出荷された野菜なら「安心」だ、と答えるでしょう。

しかし農薬というものはそのままだと猛毒で、絶対に口に入れてはいけませんし、希釈して散布するときも危険が伴うので防護眼鏡や防護マスクをしなくてはなりません。とくに毒性の強い農薬は鍵のかかった棚に保管されていて、身元確認が必要なものもあるとか……。

と、聞くと少し不安になって安心できなくなるかもしれません。また、そもそもの農薬の使用基準もたびたび変更があるようです。今、普通に使用されている農薬が数年後には使用禁止の農薬になっているかも……と言うとまた不安になるかもしれません。このように、「安心」の基準というものは人それぞれで、同じ人の中でも基準が変化するものです。

自分の「安心」基準を確認しよう

後半、少し不安をあおるようなことを書いてしまいましたが、前半で述べた通りスーパーで売られている野菜というものは、基本的に国の基準をクリアしているものなので「安全」です。

しかし、その「安全」基準自体に疑問を持っている人も少なからずいます。もしこれを読んで気になった方は少し調べてみて、自分の「安心」の基準を再確認してみるといいかもしれません。

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