雑誌やテレビで相変わらず人気の「収納特集」。SNSではインフルエンサーさんの「見た目にすっきりと美しく、使いやすい収納」が人気です。「これなら私でもマネできる!」と、嬉々として収納ボックスを買い込んだのに、なぜかうまく使いこなせない…そんな経験はないでしょうか?

それは、メディアで紹介されている収納方法が、必ずしも万人にとって使いやすいとは限らないからです。本人や家族の習慣・好み・動線…全く同じという家族は2つとしてありません。私も所属している、栃木で活動する整理収納アドバイザーの有志の集い「トチカタ」では、「正解の収納」は一人ひとり違うということを知っていただくために、毎週お題を決めて、メンバーの自宅の収納の写真をアップしています。

一口に「収納のプロ」と言っても、「自分が使いやすい」と感じる収納方法はそれぞれなのです。

今回のコラムでは、その投稿の中からいくつかピックアップしてご紹介します。自分はどのタイプの収納が合いそうかな…という目線でぜひ見比べてみてください!

ラップはしまう?出しておく?

頻繁に使うことの多いラップ類の、「ちょうどよい」と感じる収納は三者三様。

無印良品のラップケースに移し替え、冷蔵庫に貼り付ける
シンク横の壁にセリアのフォルダをつけて収納
シンク下の引き出しに立てて収納

大きく分けると、まずは出しておくか、収納内部にしまうかの2パターンに分かれます。引き出しや扉を開けることなくぱっと手に取ることが優先か、ワンアクション増えても収納の中にしまってすっきりさせたいかーこれは本当に使う人の好みです。

出して使う場合、パッケージが目に触れるのが気になる人は、ケースの利用を検討するとよいですね。SNSの影響で「色味をなくす」ためにケースを使用することが正解と感じる方増えている印象がありますが、これも、あくまでも好みの話です。パッケージの色味が気にならない人はそのまま使用しても何の問題もありません。

水筒もしまわなきゃだめ!?

毎日洗って使う水筒も、定位置に困るものの代表格です。

コーヒーを入れるのに水筒を使用するメンバーは、コーヒーメーカーのすぐ後ろのカゴに定位置を
洗って水気を切ったら、シンクの上に置き、蓋を裏返してそのまま乾かすメンバーも
キッチンの背面カウンターの上に布巾で定位置を作り、裏返して乾かしておくパターン

今回投稿したメンバーには、毎日使う水筒を収納の中にしまう人はいませんでした。拭きづらく、完全に乾ききるのに時間がかかる水筒は、毎日使うのならばしまい込まないのは自然なことかもしれません。

共通していたのは、それぞれに「定位置がある」ということ。カゴでしっかりとした定位置を作っている人もいれば、布巾で場所だけ決めている人、「このあたり」とだけ決めている人、その決め方はいろいろですが、洗ったら定位置に戻す、というのは片付くための鉄則です。

みなさんはどうでしょうか?洗った後の水筒を置く、決まった場所はあるでしょうか?

ゴミ袋の収納方法もいろいろ

ゴミ箱のすぐ横に、突っ張り棒に掛けて収納
シンクで使うものはシンク下の引き出しに、ゴミ箱で使うものはゴミ箱の近くの棚に収納
ゴミ箱のすぐ上のスペースに、引き出しで種類別にゴミ袋を収納

ゴミ袋は種類が多く、収納場所に迷われる方も多いかもしれません。メンバーの投稿で共通していたのは、「ゴミ箱の近くに定位置を設けている」という点。ゴミ出しして新しい袋に変える際には、やはり近くにストックがあると便利ですね。

ゴミ袋の収納を迷われている方は、ゴミ箱の近くで定位置にできそうな場所を探す→収納方法を検討する、の順序がおすすめです。いくら便利そうに見える収納グッズを使ったとしても、それを置く場所が使う場所から遠く離れていては意味がありません。収納テクニックだけ真似をするのではなく、自分の家に当てはめて動線を考えることはとても大切です。

「映える収納」だけが正解じゃない

お客様宅に整理収納作業に伺うと、使わなくなった収納ケースが大量に出てくることがよくあります。「すっきりと片付けたい!」と思って、おそろいのケースを何個も買い込み、結局使いきれていない、逆にスペースを使いづらくしている、というパターンはとても多いです。

また、私から見ると十分すっきりと住まわれているのに、「SNSで見かける、ああいうすっきりとした感じにならない…」と悩み続けるお客様もいらっしゃいます。SNSで、「映え」重視の収納が広まってからというもの、その投稿を目にする人たちのあいだで「自分にあった収納か」を検討するという工程がおろそかにされ、見た目に美しい収納を求める傾向が強まっている、と私たちトチカタメンバーは危惧しています。

収納は、暮らしやすい生活を支えるための縁の下の力持ち。一般家庭の収納は、決して人に見せるために存在しているわけではありません。そして、万人にとっても「正解」があるわけでもありません。「私たち家族が使いやすいのだから、それでいいじゃない!」そう笑って言える人が増えるとよいなと感じています。

この「自分の家にはどういう収納が合っているか」というのは、なかなか自分だけではわかりづらいもの。プロである整理収納アドバイザーには、たくさんの家の収納を拝見してきたからこその知識もあります。お困りの際は、ぜひお近くの整理収納アドバイザーにお声がけくださいね!

栃木・近郊県での整理収納を誰に頼んだらいいかわからない…という方はぜひトチカタにお声がけを。あなたにぴったりのアドバイザーがお伺いします。

片付け相談所かげいろ 石原智子

整理収納アドバイザー1級。インテリアコーディネーター。「おうちを心地よい空間に」を活動の軸として、個人宅での整理収納レクチャー、新築時の収納計画などの依頼を受けている。
◎片付け相談所かげいろのHP
https://kageiro.com
◎栃木県の有志の整理収納アドバイザーの集まり「トチカタ」HP
http://tochikata.info/