春めいた日も少しずつ増えてきましたね。これから引っ越しを控えている、もしくはマイホームの新築・リフォームを考えている、という方に必ずやっていただきたいのが「収納計画」です。

「収納は引っ越してからで何とかなる!」「設計士さんに“たくさん収納作ってください”ってお願いすれば大丈夫」

と思っている方は少なからずいらっしゃいます。しかし、事前の少しの準備で、引っ越してからの暮らしやすさはまるで変わってきます。片付けやすい家にするには、暮らす人の生活動線に合わせて、どこに何を収納するのか、を明確にすることが大切なのです。今回は「収納計画」の必要性と、その具体例について書いてみようと思います。

収納計画とは自分たちに合った収納を計画すること

私は「収納計画」をこのように定義しています。

【自分たち家族の持ち物を、好みや使用頻度等に合わせて、取り出しやすくしまいやすいように、どこに何をどのように収納するかを計画すること】

つまり、「2階の広さにゆとりがあったので、広い納戸をひとつ作っておきました」や「何を入れるかは全然決まっていないけれども、棚収納は多めに作ってもらった」は収納計画とは呼びません。プラン確定のタイミングで「この収納には、季節飾りを収納するから、深い収納にしよう」「ここには本類を収納するから、オープンの可動棚にしよう」という、おおよその収納するモノを決め、それに合わせた収納の形態にすることが望ましいと思っています。

建売住宅や中古住宅、マンションやアパートなどに引っ越す場合も、事前に収納計画をしておくと新生活がスムーズにスタートできます。引っ越し先の間取り図と、今の住まいにある持ち物と見比べながら、どこの部屋に何をどんな風に置くか、そのためには新たな家具が必要かどうか、など具体的にイメージしながら間取り図に書き込んでいきます。そして、家族の動線を考えながらその配置でよいか確認をするとよいですね。

家具などの採寸をしても2時間ほどの作業です。少し時間を見つけて考えて事前に考えておくだけで、引っ越してからの楽さが全然違いますよ。

リビングの収納計画は、使用頻度が高いものを優先して

リビングは家族が長い時間を過ごす場。使用頻度が高いものの定位置を、「いい場所」につくることがポイントになってきます。そうすれば、床やテーブルの上にいつも何かが散らかっている、ということを防げます。「いい場所」というのは、動線のそばにあるということ。「よく使うものを、いい場所に、ゆったりと」―これを意識して、よく使うモノの定位置と収納方法を考えてみましょう。こちらは、玄関から洗面室へ直進する廊下に、カバン等の置き場を計画したお宅の例です。

このように、必ずしもリビングに定位置がなくても、動線上に計画すれば定位置に戻しやすい、という場合もあります。具体的に、リビングに設置するのがオススメの収納については、こちらに書いていますので、ぜひご覧ください。

玄関は、動線上によく履く靴の定位置を

最近、新築の住まいに来客用の玄関と仕切りを設けて「ファミリー玄関」を設計されるお宅も多いですね。ただ、実際暮らしはじめてみると、外廻りのものをファミリー玄関の通路にまで置いてしまい、ファミリー玄関から通り抜けられないというパターンも多く見受けられます。

玄関収納は、日々履く靴と、使用頻度のそんなに高くないアウトドア用品等両方が置かれるところに、難しさがあります。こちらのお宅は、たくさんアウトドア用品をお持ちでしたので、ファミリー玄関兼土間収納の空間にお手持ちのスチールラックを使って収納場所をつくり、動線のそばを靴用の、その裏やホールから遠いところにアウトドア用品の置き場にしました。

写真ではわかりにくいのですが、プラスチックの収納ケースの背面にスペースがあり、そこに使用頻度の低いアウトドア用品を置いています。

ほかには使用頻度の低いものは、物置や、納戸に保管し、玄関収納は靴メインでシンプルに、というのも立派な収納計画です。日々の暮らしに必要なものを優先した計画がオススメです。ついついモノが増えてしまう玄関の整理については、こちらをご覧ください。

収納計画はご自身でもできますし、苦手な方は設計士や整理収納アドバイザーに手伝ってもらうのもいいですね。新生活がスタートする方は収納計画をぜひやってみてくださいね!


片付け相談所かげいろ 石原智子

整理収納アドバイザー1級。インテリアコーディネーター。「おうちを心地よい空間に」を活動の軸として、個人宅での整理収納レクチャー、新築時の収納計画などの依頼を受けている。
◎片付け相談所かげいろのHP
https://kageiro.com
◎栃木県の有志の整理収納アドバイザーの集まり「トチカタ」HP
http://tochikata.info/